パートナリング

構造認識モノクローナル抗体作製技術で病気に苦しむ人を救う

国立大学法人横浜国立大学大学院工学研究院 機能の創生部門 栗原靖之教授

抗体医薬品や体外診断薬開発に用いられる、迅速簡便な構造認識モノクローナル抗体作製法を開発。また、ミトコンドリア電子伝達系の活性制御の研究を基盤に、男性不妊症の体外用診断薬も研究開発中。
https://er-web.ynu.ac.jp/html/KURIHARA_Yasuyuki/ja.html

 

研究成果の社会還元を

栗原先生はモノクローナル抗体作製技術を確立されており、抗体医薬品市場の拡大、難治性疾患への対応の必要性、新興感染症の感染拡大を前に「この技術が社会に活かせないものか」と企業との連携を検討されていました。

そこで、研究成果の社会還元を支援している当財団にも相談をいただき、一緒にそのプロセスを検討させていただきました。

 

体外診断用医薬品を開発する企業とのパートナリングを足掛かりに

構造認識モノクローナル抗体作製技術は特許国際出願中の画期的な技術であり、抗体医薬開発を手掛ける製薬会社、診断用検査キットを開発する体外診断用医薬品会社などが導入に興味をもつと考えられます。

そこで、当財団から体外診断用医薬品開発企業へ橋渡しし、プレゼンテーションの機会を設けました。

このパートナリングの結果、栗原先生の抗体作製技術を用いて診断用検査キットを共同開発することに決まりました。抗体作製技術を企業にトランスファーすることも契約に含まれ、栗原先生の技術の普及が進展しました。

 

社会への扉を大きく開く存在

研究者が、研究成果を活用するであろう企業の戦略を分析してターゲティングし、アポイントを取って、企業向けの提案資料を作成し、共同研究契約の手続きをすることは困難が伴うことがあるかもしれません。

当財団では、栗原先生の研究に対するインテグリティや技術の可能性を信じ、企業とのパートナリングを少しだけサポートさせていただきました。

栗原先生からも「私の研究を信じて側にいてくれる。こうした支援が大きな励みとなって研究に没頭する力を与えてくれる。」と評価をいただいています。

今後も、栗原先生の抗体作製技術、ミトコンドリア電子伝達系の活性制御の研究が、病気に苦しむ人の助けにつながることを願ってサポートを続けます。