木原記念財団学術賞

独創の科学者
その可能性に追い風を

1992年、木原均博士の生誕100年を記念して木原記念財団学術賞を制定しました。1993年に第1回の授賞を行って以来、30回以上の顕彰を重ねてきました。生命科学の分野で優れた独創的な研究を行っている研究者、とりわけ今後の生命科学研究を支えるであろう、日本国内で活動する50歳以下の研究者による貴重な成果の積み重ねを顕彰し、今後のさらなる研究発展を励ましています。


推薦募集

  • 対象

    生命科学分野の50歳以下(締切日時点)の国内の研究者で、高い基礎研究レベルをもつ優れた独創的研究であって、インパクトある研究成果をあげつつも今後のさらなる発展が大きく期待できる研究を行っている方。

  • 授与件数

    原則として毎年1件

  • 選考

    有識者で組織する選考委員会にて選考し、公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団理事会において決定します。

  • 賞の内容

    賞状および賞金200万円、記念牌

  • スケジュール

    • 6月
      推薦受付期間
    • 12月〜3月
      選考期間
    • 3月末
      受賞者決定
    • 4月1日
      受賞者公表
    • 5月頃
      贈呈式・受賞記念講演会
      (原則一般公開)

記念牌

⽊原均博⼠は、国⽴遺伝学研究所在職中に箱根のヤマボウシのある景観に出会い、美しさに魅せられ、以後、「ヤマボウシを⾒る会」を主宰して、毎年、花の季節には箱根⾏きを楽しみました。ある年、ゴルフ場建設のためにヤマボウシが伐採され始めたのを知り、ヤマボウシ救済のために⾏動を開始しました。奔⾛の甲斐あって原⽣林53ヘクタールは「箱根樹⽊園」として残ることになり、樹⽊園の名誉園⻑となった博⼠は、終⽣、ヤマボウシの美しさを語り続け、広く世に紹介しました。

また、昭和50年代には、博⼠を中⼼とした「芦ノ湖を中⼼とした箱根地帯における植物相の史的変遷の研究」チームが、ヤマボウシの花の変異の調査と花器形成の研究に意欲を燃やしました。学術賞の記念牌は、右にヤマボウシのひと枝を配し、左に博⼠の⾔葉「地球の歴史は地層に⽣物の歴史は染⾊体に記されてある」(1946)を純銀台に⾦彩で浮き上がらせ、クルミ材の額に納めたデザインとなっています。

記念牌

これまでの受賞者

これまでの受賞者は、受賞をきっかけに更なるインパクトある研究成果を出され、
大きな発見、知への貢献へとつなげています。


木原記念財団学術賞
30周年記念誌
「KIHARA ism」

生物への深い愛とあくなき探求心をもち、生命科学の分野で多くの業績を残した木原均博士。木原イズムを受け継いだ私たちは、未来を担う科学者たちの研究をサポートしてきました。30年以上に渡って第二の博士を発見し、励ましてきた足跡をここに記します。

記念誌(冊子)をご希望の方には無料で郵送致しますのでお問い合わせフォームよりご連絡ください。「お問い合わせ内容」に“学術賞の記念誌希望”とご記載いただき、住所等をお送りください。


木原均博士にとっての研究

木原均博士

ゲノム説の確立など、世界的な研究業績を残した木原均博士は、研究について次の言葉を残しています。探求への情熱の火を絶やさないために。


Research and more research, have been the main force that has shaped my life.Hitoshi Kihara (1982) Wheat Studies - Retrospect and Prospects


私は時々、若い研究者から、つぎのことばを耳にする。
“昔はたくさん発見すべき題目がありましたが、今ではもうなくなってしまいました。”
ところが私はいつもそういう人々たちにはこう返事をする。
“今から十年もたてば、その時の若い人は、再び昔はたくさんの発見すべきことがあったというに違いない。”
だから若い世代の諸君は、今までの多くの発見は、これから見出されることに比べると、きわめて少ないものであると承知していただきたい。夢はそれをもつ人々にのみ、実現が可能であるから・・・・・・。
木原均 (1954)「若い人たちに答える」
採取と飼育 Collecting and breeding 16(4)